Ｂ級男、策を練る。

Ｊさんがわたしのことを両親に話したそうです。
実際にどんな感じだったのか分かりませんが、彼女からの控えめなメールの文面を見ると、ご両親はわたしとの結婚には反対のようでした。

……やかましいわい。そもそもまだできんわい。

しかし、反対されたからには成し遂げなければならない！！
あるいは、

ごもっとも！！

と言って納得するか。
Ｊさんには、よいタイミングでわたしが説得するとメールを返信しました。


うちの父はＪさんをすっかり気に入って、彼女が来るたび楽しそうです。わたしはものすごく親孝行をした気分です。
そして父は、わたしが席を外した隙に、

「ところで、あんたはもう心を決めてるの？」

とＪさんに尋ねたりしているらしい。
父には子供がたくさんいるので、

「（相手の両親に）頭を下げるのは慣れているから。次男のときは手ごわかった。なぜなら……」

と、既にＪさんが家族の一員であるかのように話しているそうです。
わたしも知らない話です。あのとき二番目の兄に借金があったとは！！
兄さんもなかなかやるな。FXにはまって借金した、ですって？　博識な彼の手ほどきでわたしは経済ニュースが読めるようになって、日々の趣味が増えたのですが。
おかげで、ときどきロイターを読むのが楽しい。

しかし、そんな父も知らないはずです。
二番目の兄が結婚前に、英会話スクールの営業のボインに貢いでいたことを。
女のための借金…と、わたしは思う…をFXのせいにするとは、ほんと、なかなかやります。
（誰も疑うまい）

でも、あれは仕方がありません。太め好きなのは、父から次男、末っ子のわたしへと受け継がれた結果ですから。
Ｊさんは痩せ型の体質らしく、５キロしか太ってくれません。
別にあんなボインボイ～ンになる必要性もメリットもないので、いいですけど。あそこまでいったら人前に出せん。男の目に留まりやすいと、心配で気が散るではありませんか。
真面目で堅実な兄の借金は、注意が散漫になった結果だと思います。
でも結婚したら、もう５キロ太ってもらうんだ。
メニューは既に練っています。


ボインの話はもうよい。
結婚だ、結婚。

親に反対されてどうする！！
作戦会議じゃ！！