異変 [Suddenly,Tendon!!]
検査の翌日、ベッドに横たわっていると、頭の中になにかまとわりつくような感じがしてきました。
わたしの足元の、ベッドをまたいでいる台のそばに、例のおばちゃんが立っているような気がして、それがひどく嫌な感じで頭にべったりと張り付いて仕方がないのでした。
そこには実際には誰もいないのですが、この嫌な感覚が消えてくれません。
もう少し具体的には、おばちゃんがそこで、わたしの本のページをめくっているように感じられ、それが嫌で嫌でならないのでした。
それまでも、おばちゃんがわたしの本を不用意に触ることが嫌だったのですが、それは当時のわたしの単なる神経質の範囲内でした。
しかしこのときは、頭に執拗に現れるこの感覚が異様に生々しく、そこに「本当に」おばちゃんがいて、指を舐め、わたしの本のページをめくっているように感じられ続けたのでした。
何かの用で医師が病室に来たとき、わたしは苦しさに頭を抱え、
「そこにおばちゃんがいて、本に手を伸ばしてくるように感じます、本当にそう感じます」
と訴えました。
すると医師は、慌てて、きのうの注射の副作用かもしれないと言いました。
それでその後のことははっきりとは覚えていないのですが、その感覚は長くともその1日だけで終わりました。
わたしの足元の、ベッドをまたいでいる台のそばに、例のおばちゃんが立っているような気がして、それがひどく嫌な感じで頭にべったりと張り付いて仕方がないのでした。
そこには実際には誰もいないのですが、この嫌な感覚が消えてくれません。
もう少し具体的には、おばちゃんがそこで、わたしの本のページをめくっているように感じられ、それが嫌で嫌でならないのでした。
それまでも、おばちゃんがわたしの本を不用意に触ることが嫌だったのですが、それは当時のわたしの単なる神経質の範囲内でした。
しかしこのときは、頭に執拗に現れるこの感覚が異様に生々しく、そこに「本当に」おばちゃんがいて、指を舐め、わたしの本のページをめくっているように感じられ続けたのでした。
何かの用で医師が病室に来たとき、わたしは苦しさに頭を抱え、
「そこにおばちゃんがいて、本に手を伸ばしてくるように感じます、本当にそう感じます」
と訴えました。
すると医師は、慌てて、きのうの注射の副作用かもしれないと言いました。
それでその後のことははっきりとは覚えていないのですが、その感覚は長くともその1日だけで終わりました。